婚活を始めた頃は、少し緊張しながらも、新しい人と出会えることに期待していた。

けれど、何人かとやり取りを重ね、初対面から同じような自己紹介をして、予定を調整し、会ったあとは「次はどうしよう」と考える。

そんな日々が続くうちに、

「また一から話すのか」

「せっかくの休日なのに、今週も婚活か」

と感じるようになることがあります。

スマートフォンには返信していないメッセージが残っている。でも、アプリを開く気になれない。

次のお見合いの日が近づいているのに、楽しみよりも気の重さのほうが大きい。

そんな自分を見て、

「結婚したいなら、もっと頑張らないといけないのかな」

「ここで休んだら、今までやってきたことが無駄になる?」

と不安になる人もいるでしょう。

婚活に疲れたからといって、すぐに「結婚したくなくなった」と決める必要はありません。

今の婚活方法に疲れているのかもしれない。

活動するペースが、自分の生活に合っていないのかもしれない。

あるいは、いったん婚活から離れたいと思うほど疲れているのかもしれません。

婚活に疲れたとき、「もっと頑張る」か「全部やめる」かの二択にしなくても大丈夫です。

休む。少し減らす。今のまま続ける。方法を変える。

今の自分に合う形を、もう一度選び直すこともできます。

「また一から話すのか」と思ったとき

婚活では、初めて会う相手と何度も関係を作っていきます。

仕事のこと。

休日の過ごし方。

好きな食べ物。

住んでいる場所。

結婚後の暮らし。

同じようなことを何度も説明するうちに、話すことそのものが負担になる場合があります。

マッチングアプリなら、プロフィールを読み、メッセージを考え、返信を待つ。

結婚相談所なら、申し込み、お見合いの日程調整、実際の面会、その後の返事まで、一つの出会いにもいくつかの段階があります。

婚活について研究した2026年の報告では、結婚相談所で活動中の女性439人について、活動段階によって結婚に対するイメージに違いがみられました。

ただし、この研究では40歳以上の女性は3人にとどまっています。

そのため、30代・40代女性全体の婚活心理を表す資料とは言えません。

ここから読み取れるのは、婚活をしている人の気持ちも、ずっと同じではないということです。

始めた頃と、何人かに会ったあと。

交際が始まったときと、関係が終わったあと。

同じ人でも、婚活の受け止め方は変わることがあります。

「以前は平気だったのに、最近はしんどい」

と感じたとしても、その変化を無視して以前と同じペースを続ける必要はありません。

「婚活に疲れた」と「結婚したくない」は同じではない

疲れていると、

「もう婚活なんてしたくない」

と思うことがあります。

そんなとき、一度だけ言葉を分けてみます。

結婚そのものを望まなくなったのでしょうか。

それとも、今やっている婚活を続けることがつらいのでしょうか。

たとえば、

誰かと暮らしたい気持ちはあるけれど、毎週知らない人に会うことには疲れた。

結婚したい気持ちは変わっていないけれど、アプリのメッセージを何人とも続けることが負担になった。

パートナーはほしい。でも、休日がほとんど婚活の予定で埋まってしまう生活は続けたくない。

そんなこともあります。

反対に、婚活を続ける中で、

「私は今、それほど結婚を望んでいないのかもしれない」

と気づく人もいるでしょう。

どちらであっても、最初から答えを決める必要はありません。

「結婚したくない」のか、「今の婚活がしんどい」のか。

そこを少し分けるだけでも、次に考えることが変わってきます。

何に疲れているのかが分かると、選択肢も変わってくる

婚活の疲れは、一つではありません。

人と会うことは嫌ではないのに、メッセージのやり取りが負担な人もいます。

反対に、文章のやり取りは平気だけれど、毎週初対面の人と会うことがつらい人もいるでしょう。

申し込みを断られることより、自分から誰かを断ることに疲れる場合もあります。

「次はもっと良い人かもしれない」とプロフィールを見続けるうち、誰が自分に合いそうなのか分からなくなることもあります。

婚活そのものではなく、

服を選ぶ。

美容院へ行く。

予定を空ける。

交通費や利用料を払う。

会ったあと周囲から「どうだった?」と聞かれる。

そんな周辺のことが重なっているかもしれません。

全部まとめて「私には婚活が向いていない」と結論を出す前に、

今、一番負担になっているのはどこだろう

と見てみます。

会う回数が多すぎるなら、少し減らすことで変わるかもしれません。

メッセージの同時進行が負担なら、やり取りする人数を絞るという方法もあります。

今使っているサービスそのものが合わないなら、別の方法を考える余地もあります。

疲れの原因が違えば、必要なのは必ずしも「婚活を全部やめること」ではありません。

「もっと良い人がいるかも」と比較し続けて疲れることもある

マッチングアプリなどでは、多くのプロフィールを見ることができます。

一人と会ったあとも、

「もっと話しやすい人がいるかも」

「もっと条件の合う人がいるかも」

と次を見たくなることがあります。

逆に、何十人ものプロフィールを見ているうちに、

「もう誰を選べばいいのか分からない」

となる場合もあるでしょう。

日本のマッチングアプリ利用を扱った研究では、オンライン上で多くの候補から関係相手を選ぶ、現代的な相手選択のあり方が論じられています。

また、オンライン上の出会いから始まる関係形成をまとめた2025年のレビューでは、相手についての事前情報や選択行為が、その後の関係形成に影響する可能性が検討されています。

ただし、これらの研究から、

「アプリは選択肢が多いから人を疲れさせる」

と単純に言うことはできません。

一般的な意思決定の研究でも、選択肢が多い状況に焦りが重なると、選択後の満足度や後悔に影響する場合が報告されていますが、これは婚活そのものを調べた実験ではありません。

ここで役立つのは、理論をそのまま婚活へ当てはめることではなく、

「私は、比較し続けることで疲れていないかな」

と一度確認してみることです。

相手を見るより、

「もっと良い人がいないか」

を探すことが中心になってきたなら、プロフィールを見る量を少し減らしてみる選択もあります。

断られることが続いて、自分まで否定されたように感じたら

婚活では、関係が続かないことがあります。

申し込みに返事がなかった。

会ってみたけれど次につながらなかった。

何度か会ったあと、交際を終えたいと言われた。

それが続けば、傷つくのは不自然なことではありません。

「また駄目だった」

から、

「私は誰からも選ばれない」

へ。

さらに、

「私には魅力がない」

と、自分全体への評価まで広がってしまうこともあります。

そんなときに、

「相性が悪かっただけだから気にしない」

と言われても、簡単には切り替えられないでしょう。

残念だった。

好きになり始めていた。

次こそと思っていた。

そういう気持ちがあれば、落ち込むこともあります。

ただ、

この人との関係が続かなかったことと、自分という人間全体の価値は別です。

婚活では、お互いが相手を選びます。

こちらが良いと思っても相手は違うことがあり、その逆もあります。

一つの関係について出た答えを、自分の人生全体への評価にまで広げなくてもよいのです。

休むことを「婚活に失敗した」と考えなくていい

婚活に疲れたとき、

「少し休みたい」

と思うことがあります。

その直後に、

「でも休んでいる間にも年齢は上がる」

という不安が出てくる人もいるでしょう。

けれど、休む期間に共通の正解があるわけではありません。

1か月休まなければ意味がないわけでも、3か月休めば元気になるわけでもありません。

次の予定だけ入れない。

新しい申し込みを少し止める。

アプリを数日開かない。

すでに約束している人とは会うけれど、新しい人は探さない。

いったん活動自体を止める。

「休む」にもいろいろあります。

82本目「40代から婚活を始めるのは遅い?年齢だけで決める前に考えたいこと」でも触れたように、年齢は婚活を考える要素の一つにはなります。

ただ、年齢が気になることと、疲れていても休んではいけないことは同じではありません。

休むことを「結婚を諦めた」と決めなくてもよいのです。

完全に休むほどではないなら、婚活の量を減らす方法もある

「全部止めたいわけではない。でも、このままのペースはきつい」

という状態もあります。

そんなときは、ゼロか百かにしなくても構いません。

毎週末に予定を入れていたなら、何もない休日を残す。

複数の人と同時にメッセージをしているなら、自分が負担に感じない範囲へ減らす。

空いた時間があるたびにプロフィールを見ていたなら、スマートフォンから離れる時間を作る。

自分の生活の中で、婚活が占める場所を少し小さくしてみます。

「何人までなら適切」

「週何回なら疲れない」

という共通の数字はありません。

仕事量も、体力も、一人で休むために必要な時間も違うからです。

目的は、最短で結婚するために婚活を効率化することではありません。

婚活のために、それ以外の生活がなくなっていないかを見ること。

それもペースを考える基準になります。

今の方法が合わないなら、方法を変えてもいい

婚活を続けたい気持ちはあるのに、今使っている方法だけがつらい場合もあります。

マッチングアプリでは、自分でプロフィールを探し、メッセージを続ける場面が多くなります。

結婚相談所では、サービスによって担当者のサポートを受けながら活動する形があります。

婚活イベントや知人からの紹介など、ほかの入口もあります。

どれが優れているという話ではありません。

アプリに疲れたから相談所なら解決する、とも限りませんし、相談所で疲れたからアプリのほうが気楽とも一概には言えません。

費用。

相手を探す方法。

会うまでの流れ。

自分で判断する範囲。

サポートの有無。

それぞれ違います。

方法を変えることは、婚活の「格上げ」や「格下げ」ではありません。

今の自分にはどんな仕組みが使いやすいかを考え直すことです。

結婚相談所の担当者とのやり取りまで苦しくなったら

結婚相談所などでは、担当者から助言を受けることがあります。

自分一人では整理できないとき、誰かに相談できることが支えになる人もいるでしょう。

一方、疲れている時期には、

「もっと申し込んでみましょう」

「条件を広げてみませんか」

といった言葉まで、重荷に感じる場合があります。

そんなときも、

「担当者の言うとおりにできない自分が悪い」

と考える必要はありません。

今の活動量が負担になっていることを相談できるか。

申し込みの数や面会のペースを変えられるか。

担当者の変更が可能か。

休会制度があるか。

などを、利用しているサービスのルールの範囲で確認することができます。

ただし、すべての結婚相談所に同じ休会制度があるわけではありません。

休会中に料金がかかるのか、契約期間はどうなるのかも含め、公式ページや契約内容を確認します。

休んだ時間まで「婚活のため」に使わなくてもいい

婚活を休む話になると、

「休んでいる間に自分磨きをしましょう」

と言われることがあります。

もちろん、それを楽しめる人なら構いません。

でも、疲れて休んでいるのに、

外見を磨く。

料理を学ぶ。

コミュニケーション力を上げる。

自己分析をする。

と次々に課題を増やしたら、結局ずっと婚活の中にいることになります。

アプリを見ない。

友人と食事をする。

読みたかった本を読む。

休日に予定を入れない。

何もしないで過ごす。

そんな時間があってもよいでしょう。

休む時間を、「次こそ成功するための準備期間」にしなくても構いません。

婚活から少し離れ、いつもの自分の生活へ戻る時間そのものが必要なこともあります。

婚活以外の日常までつらくなっているなら、一人で抱えない

婚活の予定が少し面倒。

アプリを見る気になれない。

そんな状態と、

眠れない日が続いている。

食事がとれない。

仕事や日常生活にも影響が出ている。

強い不安や落ち込みが長く続いている。

という状態は分けて考えたいところです。

厚生労働省のセルフケア情報では、こころや体が疲れたとき、自分のできる範囲で休んだり、自分に合ったセルフケアを取り入れたりする考え方が紹介されています。

また、働く人向けのメンタルヘルスポータル「こころの耳」では、自分の状態を確認するための情報や、相談窓口などが案内されています。

これらは「婚活疲れ」を診断する資料ではありません。

婚活がつらいというだけで、病気だと考える必要もありません。

ただ、

「婚活を休めば全部解決する」

とも決めないほうがよいでしょう。

婚活から離れても心身のつらさが続いている。

日常生活を送ること自体が難しくなっている。

そんな場合には、必要に応じて医療機関や公的・専門的な相談先を利用することも選択肢です。

占いに「続けるか、休むか」を決めてもらわない

婚活に疲れていると、

「今休んだら、結婚できなくなりますか?」

「この相談所を続けるべきですか?」

「今頑張れば、運命の人に出会えますか?」

と、答えを誰かに決めてほしくなることがあります。

占いを利用するなら、

未来を決めてもらうためではなく、

「私は婚活の何に一番疲れている?」

「本当は何を減らしたい?」

「私は今も結婚を望んでいる?」

と、自分の気持ちを整理する時間として使う方法があります。

「休むと婚期を逃す」

「今続ければ必ず出会える」

といった答えだけを理由に、婚活を続けたり休んだりする必要はありません。

自分の生活、自分の体調、自分の気持ちは、自分にしか分からない部分があります。

そこへ戻ってから決めてよいのです。

泉の「婚活に疲れたとき」メモ

これは、婚活を休むべきか判定するチェックリストではありません。

今の自分を少し整理するために、気になる問いだけ考えてみてください。

  • 今、一番疲れているのは婚活のどの部分だろう?
  • 結婚したくなくなったのか、今の婚活方法やペースに疲れたのか?
  • 今より活動量を少し減らしたら、気持ちは変わりそう?
  • 完全に休みたいのか、一部だけ減らしたいのか?
  • 今の婚活方法を変えたら、負担は変わりそう?
  • 婚活以外の生活へ、もう少し時間を戻したいと思っていない?

「何個当てはまったら休む」と決めるものではありません。

今日と来週で答えが変わることもあります。

それで構いません。

まとめ|休む・続ける・方法を変える、どれも選択肢

婚活をしていると、

続けることが前進。

休むことが後退。

やめることが失敗。

そんなふうに感じることがあります。

でも、必ずしもそうではありません。

今のまま続ける。

少し活動量を減らす。

方法を変える。

しばらく休む。

一度婚活から離れて考える。

どれも選択肢です。

大事なのは、婚活を続けること自体を目的にして、自分の生活まで削ってしまわないこと。

そして、疲れたときに、

「私は結婚したくなくなったのかな」

と急いで結論を出さないことです。

81本目で考えた「私はどんな暮らしを望んでいるのだろう」という気持ちは、婚活を始めたあとにも変わることがあります。

だから、途中で選び直してもよいのです。

婚活を続けるために自分を合わせるのではなく、今の自分に合う婚活の形を選び直してもいい。

休むか、続けるか。

その答えを急ぐ前に、

「今の私は、どんなペースなら自分の生活を大切にしながら人と出会えそう?」

と考えてみてください。

参考情報

確認日:2026年9月12日

山崎敬太「結婚相談所の女性会員が抱く結婚イメージ」『パーソナリティ研究』
URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/personality/35/1/35_35.1.2/_article/-char/ja/

羽渕一代「マッチングアプリ利用の現在:アーリーアダプタの属性とその傾向」『メディア研究』
URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jamsmedia/102/0/102_5/_article/-char/ja

小野由莉花「オンライン上の出会いから始まる関係形成に関する系統的レビュー:実験的検討に着目して」
URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/kokaken/56/2/56_04/_article/-char/ja/

松田憲ほか「選択のオーバーロード現象に待機列による焦燥感が及ぼす効果」『認知心理学研究』
URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcogpsy/21/2/21_2304/_article/-char/ja/

厚生労働省「こころと体のセルフケア」
URL:https://www.mhlw.go.jp/kokoro/youth/stress/self/

厚生労働省「こころの耳|働く方へ」
URL:https://kokoro.mhlw.go.jp/worker/

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